ネット徘徊してて、たまたま知った事なんだけど。
久々にド肝を抜かれたというか、呆れたというか…。


俺が猛烈に好きなギタリストの一人にジェイムズ・ウィリアムソンって人が居ます。
1971年に、かのIGGY POP率いるTHE STOOGESに加入して、それまでギタリストとして在籍していたロン・アシュトンをベーシストのポジションに追いやったほどの男。
1973年発売の、後に伝説的名盤と評される「RAW POWER」でのギタープレイは、まるで電動ノコギリみたいに強烈な音で、
まだ世の中に「PUNK」なんて言葉が生まれる遥か以前のタイミングでこんな音を聴かされた人たちは、一体どんな感覚だったんだろうと思う。

だけど、メンバーのドラッグ中毒が悪化するなどして、程なくしてバンドは空中分解。
1977年に朋友であるイギーと「KILL CITY」ってミニアルバムを発表して、以降もちょいちょいイギーのアルバムに参加してたんだけど…。ってところで俺の認識は途絶えていた。


実はジェイムズ、1980年には完全に音楽から足を洗って西海岸へ移住してたらしいんだけど、その目的ってのが「大学に入って電子工学を学ぶ」と。それは彼が30歳を超えてからの事。
しかも、97年に入社したのがSony Electronics(米国法人)。
以来、エンジニアとして勤め上げ、ついには技術標準担当副社長にまでなっていたらしい。

弁護士になったとか、医者になったとか、
ロックミュージシャンが意外な方向転換をしたって話はよくある事だけど、あのSONYの副社長って凄くないか?
彼曰く「STOOGESの事なんか知らないような人たちの中で暮らしたかった」と。
よほどの努力をしたんだろうね。


人にはいろんな事情があるだろうけど、
第一線を退いてからも、いつまでも過去の栄光にしがみ付いて、若いミュージシャンの前でエラそうな事をのたまったり、
たまに出てきては大物面してるような連中は彼を見習った方がイイぜ。
辞めるならスッパリ辞めて、ちょろちょろしない方がカッコイイぜ。


でも、俺が本当に驚くのはその後の話。


イギーがソロ名義で「SKULL RING」ってアルバムを発表したとき、いろんなゲストミュージシャンが参加する中に「THE STOOGES」の名前があった。
ギターとドラムはオリジナルメンバーのアシュトン兄弟で、数曲をTHE STOOGES名義で演奏してるんだけど、これにはついつい復活を期待してしまう。
と、やはり2007年にはアルバム「The Weirdness」発売。
昨今のへヴィロックとは違う、いぶし銀の魅力というか…いわゆる「おやじバンド」とは全く違うドス黒さ。
こりゃ凄ぇ、伝説なんかじゃなくて現役バリバリじゃない?

…と思ったのもつかの間。
2009年1月、ロンが自宅で死亡しているのが発見される。
心臓発作だったらしい。
どうする!?どうなる!?THE STOOGES!


そしたらイギー、よりによってジェイムズ・ウィリアムソンに連絡したらしい。
「またバンドに戻ってくれないか?」って。

いやいや、ちょいとイギーさんよ。
彼はもう新たな人生を手に入れて、静かに暮らしているんですよ。
定年まであと1年ってタイミングなわけですよ。
イイ歳こいて、そんなドラマチックな発想で人様の人生に水注してどーするつもりですか?
そんな、映画みたいな展開あるわけないじゃないですか。
夢見るのもいい加減にしましょうよ。
アンタものんびりやりゃイイじゃない?

…って思うじゃない?一般的には。


まさかとは思ったけど、
ジェイムズさん…、その話を受けやがったwww
会社に「またバンド演りてぇから会社辞めます」って、早期退職したらしい。
会社の皆さんも、自分のとこの副社長がまさか伝説のギタリストだとは思ってなかったんだってさ。

そんな話ってあるか!?
まるで映画のブルース・ブラザースみたいだ。


彼に家族がいるのかどうかは知らないけど、
考えてみてくれ、もしも定年間近の自分の父親がある日、
「またバンド演りてぇから会社辞めるわ」って言い出したら、どうする?www
ロック好きの家族だったりしたら、それはそれで「いぇ~!ロケンロー!!」ってなモンかもしれないけど、
ごく一般的には「この人、とうとうボケたんじゃ…?」ってのが普通でしょ?


とにもかくにも、彼はTHE STOOGESのメンバーとして最前線に戻った。


所詮ロックで「世界を変える!」なんて事は無理で、
ロックに対するそんな過大評価、俺は大嫌いだよ。

でも確実に言えるのは、
ロックは人間一人の人生を変えるくらいの力は持ってるってこと。

ま、一種の宗教とか麻薬みたいなモンかもしれないよね。